オンライン授業で感じること

Homan由佳の英語で女子力アップ

かれこれ2ヶ月以上もの間、新型コロナ感染拡大の影響で生活が激変し、皆さんそれぞれが様々な不安や葛藤を抱えて過ごされてきたことでしょう。世界で流行しているこの脅威の感染症(pandemic)を乗り越えるにはまだ時間がかかりそうです。日本では緊急事態宣言が解除され、閉塞感から少し解放された感じがしますが、まだまだ油断はできませんね。これから私たちはコロナと共存する社会を選択し、新しい生活様式を意識して取り入れることで日常を取り戻して行くことになるようです。( 新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました | 厚生労働省

これまでの生活様式=ライフスタイルを変えるということは、これまで慣れ親しんできた文化にメスを入れなくてはならない事態ですが、あえてここは前向きにとらえたいところです。よく言われることですが、私たちが今直面しているのは、パラダイムシフト(paradigm shift) つまり「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化すること」(Wikipedia)であると言われています。

新しい生活様式の提言の中には「働き方スタイル」が含まれますが、コロナ前には日本では在宅勤務はなかなか浸透しませんでした。しかし必要に迫られてテレワークは急速に広まり、驚くほど短期間で私たちの生活習慣は変わりました。オンライン会議は、仕事だけではなく日常的に接触感染を防ぐための通信ツールとして利用されています。テレビの報道番組にしても画面に複数の人が映り、遠隔で議論している光景も最近はまったく違和感がなくなりました。人間は案外新しいことに適応できるのだと実感します。というか、この適応力こそ今の時代に必要な能力なのかもしれません。

私の職場である大学の環境も急変しました。3月以降の学内イベントは中止や延期が相次ぎ、感染が拡大するのか収束するのか見通しが不透明で、各大学は4月の入学式、ガイダンス、新学期開始に関する情報通知をホームページ上で何度も更新し、その対応に追われていました。オンライン授業のインフラがすでに構築されていた大学は別として、多くの大学は授業開始を先送りし、授業は全て従来の対面授業からオンラインへと移行となりました。( 大学、オンライン授業に移行次々と 時間確保へ工夫 | 日本経済新聞 )

あれほど遅々として進まなかった大学のICT化が、見切り発車とはいえ1ヶ月もしないうちにオンライン授業の幕開けを実現できた原動力は、コロナで教育を止めてはいけないという教職員の強い使命感だと思っています。本音は「オンライン授業ってどうやればいいのか」と不安だったのでしょうけれど(笑)。

私自身、まだオンライン授業の初心者ですが、やってみると発見が多いことに気づきます。大学によって若干の違いがありますが、概してオンライン授業は3つの授業形態に分かれます。

  1. 同期型の授業:学生はビデオ会議アプリのTeamsやZoomを使ったリアルタイムでの双方向の授業を受ける
  2. 非同期:オンデマンド型で、学生は教材や音声、動画などに学生がアクセスして参加し課題を提出する
  3. 同期と非同期のミックス型

私自身は今のところリアルタイムで授業を実施し、受講者の多い講義タイプの授業ではオンデマンド型と併用する授業形態をとっています。やっとオンライン授業のペースを掴み始めたとはいえ、まだまだのレベルです。5月GW明けに最初のオンライン授業を行った私は、まるで初めて教壇に立つ新人教師のような感覚でした。特に100名以上のクラス規模の講義では学生の顔は全員見えませんし、雑音を防ぐため学生のマイクは発言者以外オフにしてあります。大教室なら授業中に一度は発する「私語は慎んで下さい」の注意喚起のフレーズの出番はなし。対面授業ならば、最前列に座っている真面目な学生の反応が学生全体の理解度指標になるのに、それも見えない。つまり、講義中によく頷いてくれる学生は「理解している」、ちょっと首を傾けていると「先生の説明に難あり」といったシグナルを発してくれるわけですが、顔が見えなければ機能しない。

そういうわけで、最初の30分くらいは従来の対面授業の空気を感じることができず、普段の教えるペースに乗れずにいました。パソコン画面に向かってパワーポイントを使って講義するのは、無観客の前でプレイするスポーツ選手のような感覚なのかな、と少々シュールな気分にさえなっていました。ところが、30分ほど経過した頃、画面の向こう側にいる学生達の反応を確認するため、チャット機能を使って内容の理解を確かめたところ、ひとりの学生が の絵文字をタップしました。すると、カウントする数字がドンドン増えて、瞬く間に100を超えました。見えない相手とやっと気持ちが通じた瞬間です。その時の感動といったら!まさに、非言語コミュニケーションの極みです。コミュニケーションとは、やはり一方的ではなくお互いの行動に意味を見出して形成されるものなのだ、と実感しました。

対面授業こそ深いコミュニケーションが可能だと信じてきた教員は多いと思いますが、オンライン授業に慣れるにつれて、そうとは限らないということに気づき始めているはずです。今回の「話しながら書く」私の作戦が学習者に理解と刺激を与えたようだと自信がつき、以来、授業では少しハードルの高い授業アプリやツールにも挑戦するようにしています。実際のところ、学生の方が情報リテラシーは高く直感的にデジタルデバイス機能には明るいので、授業中に私が操作に困惑していると個別チャットで「こうしたらどうでしょう」と助け舟を出してくれたりするのです。教員主導の授業は時代遅れなのだと実感します。

新型コロナ感染拡大は確実にグローバル化に大きな影を落としましたが、日本のデジタル化に光を与えているのも確かです。特にオンラインは今後も教育を大きく変えるでしょう。コロナの影響で大学入試改革が大幅に遅れることになりましたが、オンライン教育との兼ね合いも含めてさらなる議論が必要となる時期がきています。

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Yuka Homan

Yuka Homan

ジーワン・コミュニケーションズ取締役。立正大学教授。専門はメディア英語、英語教育。 仕事で英語と長く接してきた経験をもとに、英語を外国語として学ぶ者として、また英語を教える立場から日々感じることや、内面から女子力をアップするようなちょっとした知識もとりいれつつ、徒然なるままに書いていきたいと思います。
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