クリスチーヌ・ラガルド氏から学ぶ

Homan由佳の英語で女子力アップ

世界的に活躍している女性で最も尊敬している人を1人挙げなさいと言われたら、私は迷わず国際通貨基金(IMF)の代表理事クリスチーヌ・ラガルドChristine Lagarde氏を挙げる。
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パリ生まれのフランス人で、アメリカの大手国際法律事務所のベーカー&マッケンジーのパリ支店で勤務後シカゴ本部に移り、1999年には女性で初めてトップ (Chairman) に就任した。その後、政界に転じてフランスの貿易担当相、農業・漁業相、財務相を歴任。2011年には性的暴行容疑で辞任したストラス・カーン氏の後任としてIMFのトップ (Managing Director) に就任した。「女性初」の冠をいくつも持つラガルド氏はフォーブズ誌の「世界で最も影響力のある女性」ランキングでは常に上位にランクインされている。

国際会議で男性のスーツ軍団の中で大輪の花のように存在感があるのは、身につけている洋服の色やデザインが目立つのではなく、その身のこなし方だ。ファッションセンスの高さはスカーフの結び方を見ても一目瞭然。しかし彼女の素晴らしさは輝かしいキャリアや華やかな外見だけではない。内面から滲み出る「たたずまい」、なんというか自然に醸し出されるオーラなのだ。国連主催の会議や、インタビュー番組や講演で世界経済の現状や今後の行方や、金融に関するかなり専門的な話題について、私は語られる内容よりもその「たたずまい」に圧倒される。
肩肘張らないエレガントな物腰の中には、たっぷりの自信とゆとりがある。しかし現実にはガラスの天井は存在しただろうし、「女性初」のティアラを獲得する過程で、ラガルド氏は人の何倍もの努力をし、挫折や悔しさも経験してきたはずだ。

2014年9月20日「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」に参加するために来日したラガルド氏に、日本経済新聞はインタビュー記事を載せている。以下、一つを抜粋する。

Q: What was the biggest challenge in your career, and how did you overcome it?

A: There are lots of challenges all the time. But I’d say probably the biggest is the challenge that you have inside yourself. Sometimes you doubt. Whenever you see that little doubt character inside yourself, you have to fight back. Which is why I always have this motto about tough moments: Grit your teeth and smile.

これまでのキャリアで最も大きな困難は何だったのか、という質問に、「最も大きな困難は自分の内側にある不安 (doubt) 」だと言う。弱気なったらその不安と戦わなければならない、と。辛い時には「歯を食いしばって笑顔を見せる」のがモットーだと言うのだ。ラガルド氏のあの自信とゆとりは、やはり辛さや悔しさを乗り越えてこそ放つオーラだった。マダム・ラガルドの美しい笑顔には「強いしなやかさ」とも形容できるオーラがある。私は実際にラガルド氏に会った時にそれを強く感じた。

実は、この記事に掲載された実際のインタビューの直前、私は生の(?)ラガルド氏と対談し、この「強いしなやかさ」を直に体感したのだ!今でも、この夢のようなひとときを思い出すと感動がよみがえり胸が熱くなる。

「働く女性が輝く社会」をスローガンにした国際シンポジウムと同じタイミングでラガルド氏を囲む座談会が開かれ、私は幸運にも企業の女性執行役員の方々と参加することができたのだ!「願えば叶う」とは真実だった!(円卓でラガルド氏の隣の席次になったのも幸運の女神が私についてくれたとしか思えない。)

座談会が終わった時、私は分刻みで移動しようとしたラガルド氏にこう聞いた。 “What do you think is the secret for successful working women?” ラガルド氏の答えは ”Self-esteem” だった。self-esteemは自尊心と訳されるが、自惚れや独りよがりといったニュアンスは英語にはない。自信 (self-confidence) と同じと考えて良い。以来、SELF-ESTEEMは、仕事をする上で私のモットーになった。

あの夢のような2014年から3年半以上の月日が経った。働く日本人女性にとって以前より居心地が良い社会に変わったかというとそうでもない。それでも#Me tooに象徴されるように、女性が主張できる場ができたという環境の変化は大きい。とはいえ、女性が目立った行為をすると、なぜか「頑張り過ぎてる感」が表立ってしまい負の印象が強くなるのも事実だ。媚びずに、傲慢ではない「強いしなやかさ」を持つ女性が活躍する社会を目指したい。「女性が輝く社会」を受け身で待っているのではなく、女性が輝くことで社会を変えていくこともできるはずだ。マダム・ラガルドから学ぶことは大きい。

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Yuka Homan

Yuka Homan

ジーワン・コミュニケーションズ取締役。立正大学教授。専門はメディア英語、英語教育。 仕事で英語と長く接してきた経験をもとに、英語を外国語として学ぶ者として、また英語を教える立場から日々感じることや、内面から女子力をアップするようなちょっとした知識もとりいれつつ、徒然なるままに書いていきたいと思います。
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